タイの個人所得税
タイ国に移住した場合、タイにおける個人所得税の申告と納付が必要かどうか検討する必要があります。その結果、必要な場合は、個人所得税確定申告(PND.1といいます)を行います。
<タイの個人所得税確定申告>
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1月1日から12月31日までの課税所得と個人所得税の金額を計算し、翌年3月31日まで(オンラインの場合は4月8日まで)に申告と納付を行います。
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原則、課税所得が60,000バーツ(配偶者がいる場合は120,000バーツ)を超える場合は、納付の有無に関わらず申告を行う必要があります。個人所得税額がゼロの場合でも、個人所得税額0バーツとして申告は必要、ということになります。
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申告に際しては、あらかじめ税務署よりTAX ID番号を取得する必要があります。
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自己申告に基づいて確定申告を行いますが、不正確な申告をした場合(過少申告)、または、申告を怠った場合(無申告)は、多額の加算税や延滞税を課せられますので、注意が必要です。
タイの個人所得税を検討するに際しては、まず、タイ税法上の居住者となるか、または非居住者となるかを判定します。
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一暦年中(1月1日から12月31日まで)に、一回または数回にわたるタイ滞在日数が累計で 180日以上の場合はタイ税法上の居住者、180日未満の場合はタイ税法上の非居住者となります。
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タイ税法上の居住者となる場合、タイ国外源泉所得についての検討が必要となります。詳細は後述をご参照下さい。
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また、65歳以上のタイ居住者の所得は年間190,000バーツまで非課税となりますが、他に居住者・非居住者間に大きな差異はないものと思われます。
個人所得税額の算定は、まず課税年度(1月1日から12月31日まで)の課税所得を算定し、各種控除等を控除した金額に税率(累進税率です)を掛けて算定します。なお、居住者・非居住者間に税率の違いはございません。
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個人所得税額=(課税所得 - 各種控除) × 累進課税率
課税所得は、①タイ国内源泉所得と、②タイ国外源泉所得に分けて検討します。
【①:タイ国内源泉所得】
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タイ国内で稼得した所得(タイ国内源泉所得)は、タイ税法上の居住者・非居住者ともに、課税所得に含める必要があります。
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タイ国内源泉所得とは、タイ国内における労働の対価として得た給与や報酬、タイ国内で資産(固定資産や有価証券等。仮想通貨も含まれます)を売却・譲渡することより得た売却益や譲渡益、等々です。
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タイ国内で支払われたかタイ国外で支払われたかに関係なく、タイ国内で稼働して稼得した所得についてはタイ国内で生まれた源泉所得であり、個人所得税の対象となります。従いまして、リモートワークにてタイ国外へサービス提供して得た報酬も課税所得に含まれます。
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タイ国内で就労し給与を得る場合は就労ビザ(B-Visa)と労働許可書ワークパーミットの取得が必要です。タイランド・プリビレッジが発行するビザでは就労できませんのでご注意下さい。リモートワークの場合も同様です。タイランド・プリビレッジ特典の一つであるビザ特典を放棄し、別途就労ビザを取得することになります。また、外国人事業法という法律があり、外国人が個人事業主として個人活動を行うことは原則として許されておらず、ご自身でタイ法人を設立するかタイ法人に就職することになります。
【②:タイ国外源泉所得】
<タイ国外源泉所得マトリクス>
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タイ国外源泉所得発生日 |
タイ国外源泉所得発生年度における タイ滞在期間 |
課税 or 非課税 |
2023年 12月31日以前 |
2024年 1月1日以降 |
180日未満 |
180日以上 |
ケース1 |
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課税 |
ケース1 |
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非課税 |
ケース1 |
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非課税 |
ケース1 |
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非課税 |
タイ国外で稼得した所得(タイ国外源泉所得)は、年間のタイ滞在日数によって、課税所得に含める必要があるか否かが異なります。
《タイ税法上の非居住者:タイ滞在日数が180日未満の場合》
タイ国外源泉所得は、(タイ国内への持ち込み有無に関わらず)課税所得に含める必要はございません。
《タイ税法上の居住者:タイ滞在日数が180日以上の場合》
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タイ国外源泉所得のうち、タイ国内への持ち込んだ所得は、課税所得に含める必要があります。例えば、日本国内の勤務先から受け取った給与や、タイ国外の市場で売却して得た有価証券や仮想通貨の売却益を、タイ国内に持ち込んだ場合です。
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“持ち込む“について、タイ語原文では”ได้นำเข้ามาในประเทศไทย”、英語版ガイダンスでは”Remittance“との表記に留まっています。例えば、現金でそのまま持ってくる、銀行送金を利用してタイ国内の銀行口座に入金する、場合等が想定されます。
* タイ国外のクレジットカードやデビットカードによるタイ国内での使用(引き落とし)につきましては、“日常の経費として認めるから対象外”とのコメントを税務署担当官より得ています。ただし規程で明確に定められてはおらず、あくまでも担当官の所見と思われる点にご留意下さい。
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ただし、2023年12月31日までに稼得したタイ国外源泉所得につきましては、タイ国内に持ち込んだとしても、課税所得に含める必要はございません。
* なお、実際のご検討にあたりましては、税法の変更等もございますので、必ず最新の税法をご確認するとともに、個別の特殊事情も踏まえた専門の税理士とのご相談をお勧めいたします。